企業の永続的な発展のために~不正競争防止法とは(1)
1 夏本番です。
毎日暑い!! 次第に,夏本番という感じですね。
先日,子どもを連れてプールで泳いできたのですが,すっかりまっ黒になってしまいました。数日のうちは、両肩がヒリヒリしていて,チョー痛いという感じでした。
そんな痛い目に遭うこともありますが(笑),せっかくの夏を満喫しましょう!!
さて,久しぶりに本日の話題です。
2 外国公務員等に対する不正利益供与罪
報道によれば,10日,東京地検特捜部は,ベトナムにおいて政府開発援助(ODA)で行われる「ハノイ市都市鉄道建設事業」のコンサルタント業務の受注を巡り,同国の鉄道当局関係者に対し,15回にわたり合計6990万円を供与したという容疑で,鉄道コンサルタント会社の社長らを不正競争防止法違反(外国公務員等に対する不正利益供与罪)で起訴したという。
東京国税局が鉄道コンサルタント会社を税務調査した結果,不正なリベートの存在が発覚し,その後発足した第三者委員会の調査により,ベトナム,インドネシア,ウズベキスタンの3か国で総額約1億6000万円のリベートの提供が判明したものといわれ,今後,東京地検特捜部は,残る2か国における不正なリベートの解明に向け捜査を進めるものとみられる。
3 不正競争防止法とは?
東京地検特捜部が適用した不正競争防止法という法律。
新聞とかTVなどで,時々耳にする法律ですが,今ひとつどういう法律なのか分からないという方も多いのではないかと思います。
簡単にいえば,この法律は,事業者間の不正な行為を防止し,公正な競争を確保するための法律です。
それぞれの事業者が独自性を持った商品・サービスを開発・提供し,国の内外を問わず市場において,そのしのぎを削り合うことは,優れた商品・サービスを市場に流通させ,経済の健全な発展に寄与することなるもので,好ましいことです。
もちろんそのように優れた商品・サービスが市場に登場するには,多くの資金・労力が投入されているわけですが,事業者のうちには,いわゆる海賊版とか,顧客名簿の不正利用などのように,自ら資金・労力を投入することなく,他の優れた商品・サービスを提供する事業者の成果だけを盗んで儲けようと目論むものも少なからず存在します。
そのような行為を放置すれば,優れた商品・サービスを開発・提供する事業者の意欲を削いでしまいますし,いわゆる海賊版の販売とか,顧客名簿の不正利用などにより,本来は得られるはずの売り上げが得られないという損害を受けてしまうことになりますので,そうならない仕組みを用意しなければなりません。
不正競争防止法は,そのための仕組みを提供している法律です。
4 どのような仕組みを提供しているのか?
それでは,どのような仕組みを提供してくれているのでしょうか?
不正競争防止法では,事業者の不正な競争行為に対し,民事上の措置及び刑事上の措置を定め,事業者の不正な競争が行われないような仕組みを提供しています。
民事上の措置としては,事業者の不正な競争行為のうち,一定の類型のものを,「不正競争」とし,他の事業者により不正競争が行われた場合に,その被害にさらされている事業者が,
(1) 他の事業者が行う不正競争の停止,予防を請求することができること
(2) 他の事業者が不正競争により製造するなどした偽の商品などの廃棄,その製造設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求できること
(3) 損害賠償請求をすること
(4) 謝罪広告の掲載などのように,その信用を害された事業者の信用を回復するための措置を求めること
ができることとされています。
特に,損害賠償請求については,不正競争をした他の事業者が得た利益を,被害を受けた事業者の損失額と推定して,その賠償を認めるとか,本来であれば,不正競争をした他の事業者が支払わなければならない許諾料(ロイヤリティー)相当額を,被害を受けた事業者の損失額と推定して,その賠償を認めるなどという具合に,損害賠償請求をし易くする仕組み(損害額の推定)が採られています。
他方,刑事上の措置としては,事業者の不正な競争行為のうち,悪質なものを犯罪とし,懲役刑,罰金刑により処罰するものとされています。
今回,東京地検特捜部が起訴した外国公務員等に対する不正利益供与罪は,不正競争防止法において,事業者の不正な競争行為のうち,悪質なものとして犯罪として定められているもので,この刑事上の措置に当たるわけです。
企業が永続的に発展していくためには,不正な競争行為に対して,適切な法的処置を執らなければなりません。
特に,どのような行為に対して,民事上の措置を講じられるのかを知っておくことは大切だろうと思います。
そこで,次回では,民事上の措置を採りうる「不正競争」とは,どのような行為なのかをご説明したいと思います。
(続)
毎日暑い!! 次第に,夏本番という感じですね。
先日,子どもを連れてプールで泳いできたのですが,すっかりまっ黒になってしまいました。数日のうちは、両肩がヒリヒリしていて,チョー痛いという感じでした。
そんな痛い目に遭うこともありますが(笑),せっかくの夏を満喫しましょう!!
さて,久しぶりに本日の話題です。
2 外国公務員等に対する不正利益供与罪
報道によれば,10日,東京地検特捜部は,ベトナムにおいて政府開発援助(ODA)で行われる「ハノイ市都市鉄道建設事業」のコンサルタント業務の受注を巡り,同国の鉄道当局関係者に対し,15回にわたり合計6990万円を供与したという容疑で,鉄道コンサルタント会社の社長らを不正競争防止法違反(外国公務員等に対する不正利益供与罪)で起訴したという。
東京国税局が鉄道コンサルタント会社を税務調査した結果,不正なリベートの存在が発覚し,その後発足した第三者委員会の調査により,ベトナム,インドネシア,ウズベキスタンの3か国で総額約1億6000万円のリベートの提供が判明したものといわれ,今後,東京地検特捜部は,残る2か国における不正なリベートの解明に向け捜査を進めるものとみられる。
3 不正競争防止法とは?
東京地検特捜部が適用した不正競争防止法という法律。
新聞とかTVなどで,時々耳にする法律ですが,今ひとつどういう法律なのか分からないという方も多いのではないかと思います。
簡単にいえば,この法律は,事業者間の不正な行為を防止し,公正な競争を確保するための法律です。
それぞれの事業者が独自性を持った商品・サービスを開発・提供し,国の内外を問わず市場において,そのしのぎを削り合うことは,優れた商品・サービスを市場に流通させ,経済の健全な発展に寄与することなるもので,好ましいことです。
もちろんそのように優れた商品・サービスが市場に登場するには,多くの資金・労力が投入されているわけですが,事業者のうちには,いわゆる海賊版とか,顧客名簿の不正利用などのように,自ら資金・労力を投入することなく,他の優れた商品・サービスを提供する事業者の成果だけを盗んで儲けようと目論むものも少なからず存在します。
そのような行為を放置すれば,優れた商品・サービスを開発・提供する事業者の意欲を削いでしまいますし,いわゆる海賊版の販売とか,顧客名簿の不正利用などにより,本来は得られるはずの売り上げが得られないという損害を受けてしまうことになりますので,そうならない仕組みを用意しなければなりません。
不正競争防止法は,そのための仕組みを提供している法律です。
4 どのような仕組みを提供しているのか?
それでは,どのような仕組みを提供してくれているのでしょうか?
不正競争防止法では,事業者の不正な競争行為に対し,民事上の措置及び刑事上の措置を定め,事業者の不正な競争が行われないような仕組みを提供しています。
民事上の措置としては,事業者の不正な競争行為のうち,一定の類型のものを,「不正競争」とし,他の事業者により不正競争が行われた場合に,その被害にさらされている事業者が,
(1) 他の事業者が行う不正競争の停止,予防を請求することができること
(2) 他の事業者が不正競争により製造するなどした偽の商品などの廃棄,その製造設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求できること
(3) 損害賠償請求をすること
(4) 謝罪広告の掲載などのように,その信用を害された事業者の信用を回復するための措置を求めること
ができることとされています。
特に,損害賠償請求については,不正競争をした他の事業者が得た利益を,被害を受けた事業者の損失額と推定して,その賠償を認めるとか,本来であれば,不正競争をした他の事業者が支払わなければならない許諾料(ロイヤリティー)相当額を,被害を受けた事業者の損失額と推定して,その賠償を認めるなどという具合に,損害賠償請求をし易くする仕組み(損害額の推定)が採られています。
他方,刑事上の措置としては,事業者の不正な競争行為のうち,悪質なものを犯罪とし,懲役刑,罰金刑により処罰するものとされています。
今回,東京地検特捜部が起訴した外国公務員等に対する不正利益供与罪は,不正競争防止法において,事業者の不正な競争行為のうち,悪質なものとして犯罪として定められているもので,この刑事上の措置に当たるわけです。
企業が永続的に発展していくためには,不正な競争行為に対して,適切な法的処置を執らなければなりません。
特に,どのような行為に対して,民事上の措置を講じられるのかを知っておくことは大切だろうと思います。
そこで,次回では,民事上の措置を採りうる「不正競争」とは,どのような行為なのかをご説明したいと思います。
(続)
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