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zoom RSS  民事執行法改正の中間試案(その2)

<<   作成日時 : 2017/09/13 09:09   >>

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1 おはようございます。

  久しぶりに良いお天気で気持ちよく出勤です。

  カープのマジックは4!

  快勝を期待したいところです!

  さて,本日の話題です。

2 民事執行法改正に向けた中間試案(続)

 前回,法務大臣の諮問機関である法制審議会民事執行法部会が,民事執行法の見直しの中間試案をまとめたという報道をご紹介し,法律がきちんと整備されることの大切さをお話ししたところでした(新規立法>「民事執行法改正の中間試案(その1)」(http://s.webry.info/sp/jeans.at.webry.info/201709/article_3.html)参照)

 そこで,今回は,その内容を少しみてみましょう。

3 財産がなければとれないわけで・・・。

 今回の中間試案に盛り込まれたものの1つに,強制執行の手続において債務者の有する財産の情報を一定の範囲で照会できるようにする仕組みというものがあります。

 例えば,100万円のお金を貸したのだけれど,それが返してもらえないということで,貸金返還の訴えを提訴して勝訴判決を得たのに,それが回収できないということになれば,普通は,そう簡単に納得できません。

 もちろん,本当に債務者に財産がなく,挙げ句,破産したなどというように,無い袖がなければ回収できないことはあり得るわけですが,もし,お金を借りた債務者がのうのうと暮らしているのに,それが回収できないというのであれば,それは何とかしなければならないでしょう。

 民事執行法は,そういう債権の回収のための強制執行手続として,不動産差押え動産差押え債権差押えなどという手続きを設けているわけですが,それらの手続を執るためには,債務者が,不動産,動産,債権という財産を持っていることを把握しなけばなりません

 裁判所も,債務者がそれらの財産を持っていることは知りませんから,債権者において,債務者の財産を把握し,ここに債務者の財産があるから,それを差し押さえてください!,と申し立てしなければならないわけですが,実際には,それはそう容易ではありません。

4 今回の中間試案では・・・。

 今回の中間試案においては,そのような強制執行手続においての改善策を含め,現在の民事執行法を改正する提案として,次のような内容が盛り込まれています。

・ 現在,債権者が債務者の財産を把握する仕組みとして設けられている裁判所に債務者の出頭を求め,その財産を質問するという手続(財産開示手続)について,それを拒むなどした場合における罰則を強化するなどの措置を講じること。

・ 債権者の申立により裁判所を通じて金融機関に対し債務者の預貯金口座の情報を照会できる仕組みを創設すること。

・ 債権者の申立により裁判所を通じて一定の公的機関から債務者の勤務先の情報を照会できる仕組みを創設すること。

・ 不動産競売から暴力団関係者を排除するため,暴力団組員などは買受人としての資格がないこととし,買受申出の参加の際,暴力団組員でないことなどの誓約を求め,後日,それがうそであることが判明した場合には制裁を課するとともに,裁判所が最高価額買受申出人が暴力団組員でないことなどを警察に照会しうる仕組みを創設すること。

・ 家庭裁判所における調停・審判手続において離婚後の子の親権・監護権の所在が定められた後も,親権・監護権を有しない親が子の引渡しに応じない場合,違法に子を引き留めている相手方に対して,一定の制裁金の支払いを命じ,その引渡しを間接的に強制するとともに,執行官によりその子の引渡しを受けるための具体的な手続を明確化すること。


5 まとめ

 それらの改善だけで,十分か否かは議論があり得るところですが,とりわけ,債務者の財産の把握のための仕組みに関する規定とか,子の引渡しの執行手続の規定の整備は,裁判制度の実効性確保のために有益なものですから,早期に立法措置がなされることが望まれるところです。

 債務者の財産の把握のための仕組みに関する規定についていえば,国,地方公共団体が有する個人情報は,それが保護されなければならないのは当然ですが,その一方,本来,債権回収が図られてしかるべき債権者のためには,必要な範囲で,その情報の開示はやむを得ないものと承認されうるのではないでしょうか?

 マイナンバー制度の創設などのように,国,地方公共団体による個人情報の収集・保有に向けた制度改正の動きが話題ののぼる都度,国民が監視されるなどという議論が出てくるわけですが,逆に,そういう情報が必要な場合には,それが提供され国民の役に立つという実感があれば,国,地方公共団体が収集・保有する個人情報というが,大切な公共財であることの理解が浸透していくことになるのではないか,という気がします。

 今後の議論に期待したいと思います。

(終)

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